長野県・軽井沢を代表する歴史的建造物「旧三笠ホテル」が、約5年半にわたる保存修理工事を経て、2025年10月1日(水)にリニューアルオープンを迎える。展示内容の刷新に加え、館内には待望のカフェスペースも新設される。
「旧三笠ホテル」は、実業家・山本直良により1906年に創業された純西洋式建築のホテル。当時としては画期的なガス灯シャンデリアや英国製カーペットなどが備えられ、国内外の要人や文化人が集う場として知られた。1980年には国の重要文化財に指定され、1983年からは内部を一般公開。以降、軽井沢を訪れる人々にとって必ず立ち寄りたい観光スポットとして親しまれてきた。
今回のリニューアルでは、建物の歴史や意匠をより深く伝えるため展示内容を全面的に更新。当時の暮らしや接客文化を体感できるよう、解説や展示資料を工夫して配置している。また、利便性を高めるため館内にエレベーターを導入。これにより、幅広い年代の来館者が安心して利用できる環境が整った。

新たに設けられたカフェスペースは、建物の趣を生かしながらも現代的な快適さを備えた空間。観覧後にゆったりと休憩したり、軽井沢の豊かな自然を感じながら過ごせるスポットとして注目されるだろう。
さらに、一部客室は貸室としてリニューアルされ、会議やワークショップ、撮影など幅広い用途で利用可能に。文化財でありながらも、地域や来館者の多様なニーズに応える場として新しい可能性が広がっている。
「旧三笠ホテル」は、明治から大正にかけての西洋文化の受容と発展を物語る重要な建築遺産。今回のリニューアルを経て、単なる観光施設としてだけでなく、交流と学びの拠点として新たな一歩を踏み出すことになる。秋の軽井沢観光に訪れる際には、ぜひ足を運んでその魅力を体感してみてほしい。

【詳細】
重要文化財 旧三笠ホテル
リニューアルオープン日:2025年10月1日(水)
住所:長野県軽井沢町大字軽井沢1339-342
TEL:0267-48-6341
開館時間:9:00〜17:00(最終入館は16:30まで)
※オープン初日10月1日(水)の一般公開は14:00~
休館日:水曜日(祝祭日にあたる場合はその後の最初の平日)、および12月28日~1月3日
※7月15日~10月31日までの期間は水曜日も営業
入館料:一般(高校生以上) 1,000円/小学生又は中学生 500円
※団体(20名以上)は各100円引き
※軽井沢町民は各半額
※貸室の利用は要予約・有料、使用希望日の14日前までに申請書の提出が必要
※貸室は連続して3日まで予約可