滋賀県・近江八幡。琵琶湖の東岸に広がるこの地は、古くから豊かな水と大地に恵まれた「食材の宝庫」として知られています。その魅力を現代的に表現するレストランが、旧武家屋敷を改装した【TABLE MOTHER】です。ここでは、近江食材とフレンチ・イタリアンの技法を融合させた唯一無二の料理を楽しむことができます。

地産地消が生み出す、近江ならではの一皿

「近江を味わう」。その信念のもと、同店で使われる食材は徹底して地元産にこだわります。近江米や近江野菜はもちろん、琵琶湖で獲れる湖魚や三重・伊賀の鹿肉など、シェフが厳選した食材が日々のメニューを彩ります。

特に印象的なのは、スペシャリテ『卵黄味噌のエスプーマ』。日本の伝統調味料である味噌と卵黄を合わせ、エスプーマ仕立てで軽やかに仕上げた一皿は、和の懐かしさとフレンチの洗練が絶妙に調和。口に入れた瞬間、滋味深い旨みが広がり、誰もが笑みをこぼす名品です。

さらに、三重県伊賀産の鹿肉をじっくりとロティに仕上げた一皿も人気。クセのない赤身の旨みを存分に堪能でき、ワインとの相性も抜群です。フレンチやイタリアンの技法に「だし」の要素を取り入れるなど、洋の中に光る和のエッセンスが、ここでしか出会えない味わいを生み出しています。

武家屋敷が生み出す、非日常の食空間

【TABLE MOTHER】がもうひとつ誇るのが、その特別な空間です。江戸時代から現存する武家屋敷をリノベーションした店内は、広々としたモダンな設えと歴史的な趣が共存する唯一無二の雰囲気。大きな梁や和の意匠を活かした空間に、落ち着きのあるインテリアが溶け込み、食事のひとときをより豊かに演出します。

個室やテラス席も備え、記念日や接待、家族との食事にも最適。さらに、ディナータイムには一部の席で愛犬と一緒に食事を楽しめるというユニークなサービスもあり、多様なシーンに寄り添ってくれるのも魅力です。

シェフの情熱が宿る料理

料理を手掛けるのは、欧州料理を専門とする加納洋平シェフ。島根県出身の彼は、幼少期から家庭で料理を作る中で食の世界に魅せられ、福岡・東京でフレンチとイタリアンの研鑽を積みました。その後、滋賀に拠点を移し、地元食材の可能性を最大限に引き出す料理を展開しています。

加納シェフの信念は「料理で地域の魅力を伝えること」。その一皿一皿には、食材を育んだ生産者への敬意と、食べ手に喜びを届けたいという思いが込められています。

遠方から訪れる価値のある一軒

ランチはコーススタイルで約3,000円、ディナーはコースとアラカルトで約6,000円と、特別感と手の届きやすさを兼ね備えた価格帯。季節ごとに変わるメニューは、訪れるたびに新しい発見があります。

また、テイクアウトやケータリングにも対応しており、家庭やオフィスでも【TABLE MOTHER】の味を楽しむことが可能。大切な集まりを彩るケータリングは、滋賀だけでなく関西一円に対応しており、幅広いシーンでその魅力を発揮しています。

まとめ

【TABLE MOTHER】は、ただ食事を楽しむだけの場所ではなく、「近江の食文化を体感できる舞台」。滋賀の自然と人々の思いを受け継いだ料理が、歴史的空間と融合することで、他では得られない食体験を提供してくれます。

美食を求めて滋賀を訪れるなら、この一軒は外せません。近江八幡の風土とともに、和と洋が織りなす味わいを、ぜひ五感で堪能してください。