宮崎県北部・九州山地の中央に位置する高千穂町。その象徴ともいえる「高千穂峡」は、阿蘇山の火砕流が五ヶ瀬川沿いに流れ出し、長い年月をかけて浸食されてできた峡谷です。高さ100m、平均80mの断崖が約7kmにわたり続き、岩肌には柱状節理と呼ばれる独特の縞模様が刻まれています。
峡谷の中でも特に有名なのが、落差17mの「真名井の滝」。天孫降臨の神話にも登場し、「日本の滝百選」にも選ばれた名瀑です。滝見台から望む景色はもちろん、貸しボートに乗って水面から見上げれば、迫力と荘厳さを全身で感じられます。
神話と伝統文化に触れる
高千穂は「神話の里」として知られ、『古事記』『日本書紀』にも登場する舞台が点在します。天岩戸や天安河原、くしふるの峰など、神々の物語を伝えるスポットが多く、古くから信仰を集めてきました。秋から冬にかけては、五穀豊穣を祈る「高千穂神楽」が毎晩開催され、神話の世界を舞で表現する様子を間近で見ることができます。
四季を彩る風景
高千穂峡は春の新緑、夏の深い緑陰、秋の紅葉、冬の雪景色と、訪れるたびに異なる表情を見せます。とりわけ紅葉シーズンは峡谷全体が赤や黄色に染まり、水面に映り込む光景は息をのむ美しさです。
グルメとお土産
旅の締めくくりには、高千穂牛や釜炒り茶、地元産の焼酎など、ここならではの味覚を楽しみましょう。神が宿る地ならではの工芸品や食品は、お土産にもぴったりです。
所在地:宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井御塩井
アクセス:延岡駅より宮崎バスで約90分/九州中央道山都中島西ICより車で約65分
駐車場:あり(有料)
散策:自由(貸しボートは別途料金・季節営業)