8つの温泉郷をめぐる湯けむりのまち

大分県別府市――“おんせん県”と呼ばれるこの地の中でも、別府温泉はまさに日本一の温泉地として知られています。市内には「別府八湯(べっぷはっとう)」と呼ばれる8つの温泉郷(浜脇・別府・観海寺・堀田・明礬・鉄輪・柴石・亀川)が点在し、それぞれ泉質や風情が異なります。街中から立ちのぼる湯けむりは、別府の象徴的な風景。市内の「湯けむり展望台」からは、もくもくと立ち上る湯けむりと、遠くに広がる街並みを一望できます。


個性豊かな温泉で癒やしの時間

共同浴場からオーシャンビューの大浴場まで、別府の温泉は実に多彩。地元の人々が日常的に通うレトロな共同浴場では、旅先ならではの交流も楽しめます。一方、海沿いのホテルや温泉施設では、瀬戸内海を望む絶景風呂に浸かりながら、贅沢な時間を過ごせます。昭和時代には湯治客で賑わった鉄輪温泉や、ミョウバンを含む湯の花が特徴の明礬温泉など、泉質も効果も多種多様。近年は科学的にも温泉の健康効果が検証され、温泉ウェルネスの街として注目を集めています。


温泉熱を活かした絶品グルメ

別府の名物といえば、温泉の蒸気を利用した「地獄蒸し料理」。摂氏98度の温泉噴気で野菜や魚介、肉を一気に蒸し上げ、素材本来の旨味を引き出します。「地獄蒸し工房鉄輪」では、食材を持ち込んだり現地で購入したりして、自分だけの地獄蒸しを体験可能。塩分を含む温泉蒸気で蒸すため、食材がふっくらと仕上がります。温泉で温まったあとは、地元の食文化もぜひ味わいたいところです。


モデルコースで別府を遊び尽くす

別府観光の楽しみ方は温泉だけにとどまりません。たとえば「別府八湯湯めぐりコース」では、8つの温泉郷をすべて訪ねて泉質や景観の違いを楽しめます。温泉道のスタンプラリーもあり、8つ集めれば「初段」に認定、88か所制覇で「名人」の称号が手に入ります。
時間が限られているなら、JR別府駅周辺を歩く「ぶらり散歩コース」もおすすめ。商店街や路地裏を巡りながら、郷土料理や特産品に触れられます。
ファミリーなら、自然を満喫できるキャンプやアウトドア体験も人気。温泉とアウトドアを組み合わせれば、子どもから大人まで大満足の旅になります。


アートと出会う温泉街

別府は実はアートの街でもあります。商店街や街角にアート作品が点在し、ギャラリーや展示会が日常の中に溶け込んでいます。温泉とアートを同時に楽しむユニークな旅は、写真好きにもぴったり。おしゃれなカフェやレストランと合わせれば、五感を満たす1日になります。


まとめ

別府温泉は、泉質豊富な温泉と多彩な観光資源が詰まった街。湯けむりに包まれながら温泉に浸かり、地獄蒸し料理を味わい、街歩きやアート鑑賞で心も体もリフレッシュできます。温泉好きはもちろん、グルメ派やアクティブ派にもおすすめの、日本を代表する温泉観光地です。