縁結びの神・大国主大神を祀る古社
正式名「いづもおおやしろ」。主祭神は大国主大神(だいこくさま)。『古事記』の国譲り神話に登場し、『日本書紀』では天日隅宮の創建とされ、出雲大社の起源とされています。多くの女神と結婚し子を成した大国主大神は「縁結びの神」として親しまれています。
壮大な神殿と圧巻のしめ縄
御本殿(国宝):現在の本殿は1744年建立で高さ約24 m。古代には48〜96 mの建築があったとされ、2000年に存在を裏付ける柱根が発掘されました。
拝殿:1963年再建、戦後最大級の木造神社建築。12.9 mの高さがあり、大しめ縄(左右逆向き)も名物です。
神楽殿:1981年建立、270畳の大広間と長さ約13 mの巨大注連縄(重さ5.2 t)があります。
正式参拝ルートと作法
勢溜(せいだまり)の大鳥居(二の鳥居)から参道へ。
祓社:参道右手で身心の穢れを祓う四柱の祓戸神に参拝。
松の参道:日本名松100選、左右の脇道を歩いて進む。
御神像:「ムスビの御神像」「御慈愛の御神像」が出迎えます。
手水舎:新型コロナ禍でひしゃくは使えませんが清めます。
銅鳥居(四の鳥居):1666年寄進、国指定重要文化財。
拝殿:二礼四拍手一礼でお参り。
八足門:本殿最前の門。正月五日頃に開放されます。
御本殿:東向き約24 m。横から参拝するスタイルです。
全社で作法は同様に。神門や本殿周辺では、①十九社(神在祭期間のみ扉開放)、②釜社(宇迦之魂神)、③素鵞社(素盞嗚尊)、④神楽殿ほかにも見どころが多数あります。
境内の見どころと周辺施設
神馬神牛像:撫でると子宝・安産、学力向上にご利益。
彰古館(登録有形文化財):1階に大国主・恵比寿像、2階には信仰資料。開館は土日祝・神在祭・大祭・正月・連休など。
宝物殿(神祜殿):有料。13世紀前半の「心御柱」(直径1.35 m)など古代柱展示。
うさぎ像:境内各所に点在。因幡の白兎との縁を象ったもの。
規格外に“大きい”魅力
出雲大社はスケールが魅力。御本殿・神楽殿・注連縄・国旗(約14×9 m・ポール47 m)など、全てが圧倒的に大きいです。
神在祭と古代神話の舞台
旧暦10月は全国の八百万の神々が集う「神在月(かみありづき)」。他地域の「神無月」と対比され、出雲ならではの月です。また、稲佐の浜では大国主大神と天照大神の使者の国譲りがあったとされる神話が息づいています。
周辺観光スポット
稲佐の浜:日本の渚百選。夕陽も美しい。
弁天島:潮の満ち引きで風情ある岩島。
屏風岩:国譲り神話の談判が行われたとされる岩。
宇迦橋の大鳥居:一の鳥居にあたる高さ約23 mの登録文化財。
神門通り:約700 mの門前町。出雲そば・ぜんざいの名店が並ぶ。
古代出雲歴史博物館:出雲大社の巨大柱模型や国宝青銅器などを展示。
アクセス・基本情報
住所:島根県出雲市大社町杵築東195
参拝時間:6:00~19:00(お守り所も同時間)、宝物殿ほかは8:30~16:30(入館16:00まで)。
料金:拝観無料(宝物殿300円、彰古館200円)
駐車場:385台、車椅子負担なし(貸出あり)
アクセス:
- 電車とバス:JR出雲市駅から一畑バス「正門前」下車すぐ。
- 一畑電車出雲大社前駅から徒歩10分。
- 車:山陰自動車道「出雲IC」から約20 分。
おすすめの参拝・観光プラン
早朝参拝で清らかな空気の中、本殿や神楽殿を静かに巡り、帰りに神門通りで出雲そばや甘味を堪能。午後は稲佐の浜へ足を延ばし、夕陽を背景に弁天島や屏風岩を訪れると、神話の舞台と現実が交差する特別な旅になります。
出雲大社は“縁”と“大きなもの”がつむぐ神話と歴史の重みが漂う場所。神在の時期には全国の神々を迎え、荘厳な雰囲気はまさに“神々の集う大いなる社”にふさわしい存在です。