神々しい“海中大鳥居”が浮かぶ神社
厳島(いつくしま)に鎮座する嚴島神社は、593年創建と伝わる全国の総本社。平清盛が1168年頃に現在の寝殿造桧皮葺様式の社殿を建立し、満潮時は社殿や大鳥居が海に浮かび上がる美しい光景が広がります。社殿群・回廊など17棟は国宝・重要文化財に指定され、その歴史的価値は計り知れません。
豊富な国宝建築と伝統文化
寝殿造社殿:平安時代の寝殿造りを残す本殿・拝殿・幣殿。三女神(市杵島姫命ほか)を祀り、御幣殿は神饌の供えに使用されます。
海中回廊:床板に隙間があり、高潮時に波を逃がすスリット構造を採用。参拝者は土足で歩けるよう養生板を設置。
高舞台・平舞台・能舞台:清盛由来の舞楽奉納や能の伝統を今に伝え、特に能舞台は海中に建てられた日本唯一のものとして圧巻です。
橋・庭・摂社:内侍橋や反橋(勅使橋)など歴史ある構造物や、客神社・大国神社・天神社など摂社も境内に点在し、荘厳な信仰の世界が広がります。
潮の満ち引きで変わる神秘の風景
嚴島神社は潮の満ち引きを生かした神社で、干潮時には大鳥居の下を歩くことも可能。満潮時には海に浮かぶように見える荘厳な姿が写真映えする観光名所です。夜間や夕暮れには、朱の大鳥居が幻想的に浮かび上がります。
むすび:宮島の自然・文化体験
松島八景として知られる鏡の池や卒塔婆石、康頼灯籠など詩情豊かな景観や伝説が島を包みます。
周辺には弥山ロープウェー、千畳閣、紅葉谷公園など自然と歴史が融合した観光スポットも充実。
食文化では、表参道商店街のお店で名物牡蠣やもみじ饅頭、あなごめしなど地元グルメも楽しめます。
アクセスと参拝時間
所在地:〒739‑0588 広島県廿日市市宮島町1‑1
参拝時間:季節により6:30~18:30※公式案内要確認(宝物館は8:00~17:00など)
拝観料:大人300円~、高校生200円、中小学生100円
アクセス:JR宮島口・広電宮島口より連絡船10分+徒歩15分、車は廿日市ICから約15分
駐車場:現地のコインパーキング等を利用
訪問時のポイントと過ごし方
満潮・干潮をチェック:潮位によって景観が劇的に変化するため、訪問時刻を調整するのがおすすめ。
舞楽・能など伝統行事:神事や舞楽の奉納は公式サイトで確認し、開催日を狙って参拝すると一層趣深い体験に。
宮島の観光巡り:ロープウェーで弥山へ登り景色を満喫したり、千畳閣などで静かな時間を過ごしたりと滞在時間をゆったりと計画すると良いでしょう。
世界遺産としての格別の景観と歴史的価値、島全体が神域としての厳かさをまとっている嚴島神社。その美しさは訪れる人の心に強い印象を残し、記憶に刻まれる旅となることでしょう。