Logicoolのトラックボールマウス「MX Ergo S」を購入しました。旧型のMX Ergoを2018年から愛用し、今回はBluetooth接続の不調をきっかけに新モデルを導入。新型には不満も多々ありますが、それでも手放せない理由があるのです。

MX Ergo Sで嬉しかった2つの進化

新モデルの購入を決めた理由は以下の2点:

  • クリック音が静かになった

  • 充電端子がMicro USBからUSB-Cに変更

特に充電端子の変更は大きい。Micro USBはもう他で使わないので、毎回棚からケーブルを引っ張り出す手間がなくなったのは快適です。

MX Ergoシリーズの魅力:疲れにくい

トラックボールマウスの最大の魅力は、手首や肘を動かさずに済むこと。私は通常のマウスで腱鞘炎になり、MX Ergoに替えてから改善しました。慣れは必要ですが、PC作業で身体に不調が出る人にはぜひ試してほしいデバイスです。

MX Ergoシリーズの欠点

一方で不満点も多数あります。

  • 汚れやすく定期メンテ必須
     トラックボール周辺に埃が溜まり、月1〜2回の掃除が必要。正直面倒です。

  • 設定アプリ「Logi Options+」が使いづらい
     スクロール速度の調整やボタン割当ができる便利なツールなのですが、UIが直感的ではなく、新しいデバイスを認識しないなどのトラブルが多いです。

  • 有線接続に非対応
     Bluetoothか専用レシーバー(Logi Bolt)でしか接続できません。初期設定時にマウスが認識されないと、別のマウスが必要になるのは不便。

接続と設定でのトラブル

MX Ergo Sは従来の「Unifying」ではなく新しい規格「Logi Bolt」に対応。付属のレシーバーで接続はできますが、複数台で使うには別途レシーバーを購入しなければなりません。

また、デバイスの設定には「Logi Options+」のバージョン1.83以上が必要。私は古いバージョンを使っていたため、アプリ内でマウスが表示されず原因究明に時間がかかりました。最新版にアップデートしてようやく認識されるように。

なお、旧MX Ergoの設定は引き継がれず、再設定が必要です。同じシリーズでボタン構成も変わっていないのに、これはやや残念。

新機能:AI Prompt Builder

MX Ergo Sでは、設定アクションに「AI Prompt Builder」が追加。ChatGPTと連携し、翻訳や要約といった定型アクションをマウスボタンから直接実行できます。入力デバイスからAI操作できるという発想は面白く、ChatGPTを日常的に使う人にとっては便利な機能です。

ただ、動作は不安定で、モデル変更など基本的な設定がうまくいかない場面もありました。まだ「お試し機能」として見るのが良さそうです。

小さな改良もあり

地味に嬉しい進化として、マウス側ボタン+スクロールで水平方向のスクロールが可能に。Shiftキーで代替できるけれど、指だけで完結するのは便利です。

総評:使い続ける理由は、体の快適さ

クリック音が静かになり、USB-C充電になったのは明確な改善。設定面でのストレスは依然として大きいですが、それを補って余りあるのが体の負担が減るという点です。

日々長時間PCと向き合う人間にとって、腱鞘炎など身体のトラブルから解放されることは何より価値があります。私はこれからもMX Ergoシリーズを使い続けると思います。好きではないけど、必要だから。