ニューヨーク発のブランド、エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)が2026年春夏のウィメンズ&メンズコレクションを発表した。今回のテーマは、1970年代末から80年代初頭にかけてイギリスで活躍した2トーンスカ・バンド「ザ・スペシャルズ(The Specials)」。ジャマイカ音楽スカとパンクロックを融合させたサウンドで人気を博した彼らの精神をファッションで表現する。
コレクションの軸となるのは“モノクローム”と“ツートーン”。ブランドを象徴するワークテイストに、音楽文化のグラフィカルな要素を重ね合わせている。ブルゾンやパンツに配されたフラッグチェックは、格子の幅を大小で切り替えることで大胆かつ軽快なリズムを生み出す。さらに、ジオメトリック柄のシャツや、足跡をモチーフにした総柄パーカなど、遊び心あるデザインもラインナップ。
白黒のツートーンカラーは、ペイズリージャカードやクロシェニットといった異素材にも落とし込まれ、アロハシャツや幾何学柄ジャケットに新鮮な存在感を与えている。ニュースペーパープリントのアノラックや、グレンチェックのジャケット、ハウンドトゥース柄のシャツなど、クラシックなモノクロテキスタイルも随所に取り入れられ、ベーシックとアヴァンギャルドが同居するコレクションとなった。

また、「ザ・スペシャルズ」の着こなしを意識したスリーピース・セットアップも登場。ジャケットとベスト、シャツを重ねたクラシックなレイヤードに加え、ジャケットの上から半身のベストを重ねるアレンジや、ボトムスにラップスカートを合わせる提案など、着こなしの自由度を大きく広げている。サスペンダーやボウタイ、ストールといった小物も揃い、細部まで音楽カルチャーの息吹を感じさせる。
一方で、コレクションはモノクロームだけでなく、プレイフルな色彩を取り入れた二部構成。赤いパーカとマドラスチェックのショーツを合わせたスタイルや、イエローの小花柄シャツ、タイダイ染めのブルーのブルゾンなど、春夏らしい華やかな色柄が展開される。琥珀色を基調に多彩な柄をパネル状に組み合わせたショーツなど、テキスタイルの多様性も魅力だ。
注目アイテムのひとつが、バックパックを背負ったまま着用できるロングパーカ。後身頃にバッグのスペースを確保し、荷物を下ろさずに着脱できる仕様だ。未使用時は余分な布地をポケットに収納できるため、すっきりとしたシルエットでも着こなせる。日常使いはもちろん、旅行やフェスなどアクティブなシーンでも活躍するだろう。
音楽とファッションのエネルギーが融合した今回のコレクションは、クラシックとモダン、モノクロと多彩なカラーの対比によって、ブランドの新たな魅力を引き出している。
