千葉・市原湖畔美術館では、企画展「市原湖畔美術館〈リコレクション(Re-collection)〉展」を2025年10月11日(土)から11月16日(日)まで開催する。本展は、美術館が所蔵する数多くの作品の中から厳選された約100点を紹介し、地域ゆかりの作家の創作活動を一望できる内容となっている。
市原湖畔美術館は、1995年に観光・文化複合施設「市原市水と彫刻の丘」として開館。その後、リニューアルを経て2013年に現在の姿へと生まれ変わった。今回の「リコレクション」展は、開館以降市原市が収集してきた700点を超える収蔵品の中から、特に重要な作品を紹介する企画であり、美術館の収蔵活動の歩みを振り返る意味も込められている。
中心となるのは、日本を代表する銅版画家・深沢幸雄(ふかさわ ゆきお)。彼は生涯を通じて「人間」というテーマを追求し、作風を時代ごとに変化させながらも、一貫した精神性を持って1,300点以上の作品を生み出した。本展では、《涙》や《箱の中の人(A)》を含む約40点を展示。初期から後期にかけての表現の移り変わりを通して、深沢芸術の核心に迫ることができる。

加えて、市原ゆかりの作家11名による多彩な作品群も見どころのひとつ。普段は公開機会が少ない大型の日本画や油彩画、さらには青磁作品まで幅広く揃う。松澤茂雄の《海辺の家》や髙橋甲子男の《天地白垂之図》など、個性豊かな作風の作品が並び、地域文化と美術の厚みを感じさせてくれる。銅版画を中心に、絵画・陶芸といったジャンルを横断しながら展示されることで、観覧者は市原芸術の豊かな広がりを体感できるだろう。
地域と深く結びついた作家たちの作品を一堂に鑑賞できる「リコレクション」展は、市原の美術史を振り返るだけでなく、日本美術の多様性を再認識する場ともなるはずだ。

展覧会概要
企画展「市原湖畔美術館〈リコレクション〉展」
会期:2025年10月11日(土)〜11月16日(日)
会場:市原湖畔美術館
住所:千葉県市原市不入75-1
開館時間:平日 10:00〜17:00、土曜日・祝前日 9:30〜19:00、日曜日・祝日 9:30〜18:00
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日に休館)
入館料:一般 1,000円(800円)、高校生・大学生・65歳以上 800円(600円)、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※障がい者手帳の所持者および介添者1名は無料(障害者手帳アプリ「ミライロID」可)
■出展作家
深沢幸雄、松田正平、時田直善、時田幸彦、時田正彦、武内和夫、髙橋甲子男、松澤茂雄、鈴木三成、古城江観、大浦掬水
【問い合わせ先】
市原湖畔美術館
TEL:0436-98-1525