兵庫県朝来市にある「竹田城跡」は、まるで天空に浮かぶ城のような美しい風景で、日本中から観光客を惹きつけています。戦国時代に築かれたこの山城は「日本のマチュピチュ」とも呼ばれ、石垣がほぼ当時のまま残っているのが最大の魅力です。しかし、竹田城の魅力はそれだけではありません。山頂から見渡す風景、晩秋の雲海、古き良き宿場町や寺町の情緒など、まさにシャッターが止まらない旅スポットです。


戦国の歴史を今に伝える竹田城

竹田城は標高353.7mの虎臥山(こがさん)の山頂に築かれ、南北約400m、東西約100mという広大な敷地を誇ります。初代城主は太田垣光景で、130年もの間この地を治めました。1578年には豊臣秀吉が毛利攻めの拠点として攻略し、頑強な石垣が築かれました。その石垣は、秀吉が呼び集めた石垣職人「穴太衆(あのうしゅう)」による野面積み技法で積まれ、500年以上経った今も変わらぬ姿を見せています。「石の声を聴き、石の行きたいところに置く」——この職人技が、竹田城を時代を超えた名城にしています。


山頂からの絶景と雲海の幻想

虎臥山の山頂は広く、北千畳、二の丸、天守台などを巡る遊歩道が整備され、歩くと30〜45分ほどかかります。ここから眺める竹田の町や連なる山々は、戦国時代とほぼ変わらぬ風景です。特に9月〜11月の早朝には雲海が発生し、山々が霧の中に浮かぶ幻想的な光景が広がります。まさに「天空の城」の名にふさわしい光景で、訪れる旅人の心を奪います。


風情ある町並みと寺町散策

竹田城を下りると、町には静かで落ち着いた雰囲気が広がります。JR竹田駅周辺には観光案内所もあり、町歩きの拠点に最適です。宿場町として栄えた歴史を感じる但馬街道やS字クランクの街並み、武家屋敷跡の寺町通りには、善證寺、常光寺、勝賢寺、法樹寺といった歴代城主の菩提寺が並びます。石橋や鯉が泳ぐ川沿いも、散策の楽しさを倍増させます。


竹田の美食とお土産

町のグルメは少なめですが、板前料理・割烹「永楽」では、地元で採れた食材を使った本格的な寿司を楽しめます。また、手打ちうどん「一心」では、まろやかなコクのカレーうどんセットが人気です。お土産には虎臥山中腹の「山城の郷」で、岩津ねぎの加工品や地酒「竹泉」の飲み比べセットがおすすめ。地元の味を家族や友人に持ち帰れば、旅の余韻がさらに深まります。


快適な宿泊はゲストハウス「宿屋 天空」

竹田の宿泊施設は少なめですが、「宿屋 天空」はJR竹田駅から徒歩2分の便利な立地。和室・洋室の個室があり、共用スペースやキッチンも充実。清潔で機能的、しかも価格は2泊で13,400円とコスパも抜群です。蔵を改装したロフト席や浴槽付きのバスルームなど、ゲストハウスながら快適な滞在が楽しめます。


竹田の魅力まとめ

竹田城跡の石垣、雲海に浮かぶ幻想的な景色、宿場町の風情、寺町散策、円山川沿いのウォーキング、地元グルメ、快適な宿。すべてが揃った竹田は、ただの城跡ではありません。歴史と自然が融合した特別な空間で、訪れる人の心に深く刻まれる旅体験を提供してくれます。写真を撮る手も、思わず止まらなくなることでしょう。