東京・共立女子大学博物館では、企画展「和モダン―銘仙着物の華やぎ―」を2025年9月29日(月)から11月30日(日)まで開催する。大正から昭和にかけて女性たちのよそゆきとして人気を博した銘仙着物の魅力を、多彩な実物展示を通して紹介する。
大正・昭和期に広まった銘仙の魅力
銘仙は、節のある玉糸やくず糸を用いた絹織物で、比較的手頃な価格で入手できたことから大衆的に広まった。色鮮やかな染色や多彩な模様を特徴とし、当時の女性の華やかな装いを支えた存在である。もともと江戸時代には「太織」とも呼ばれ、日常着として用いられていたが、大正期に化学染料が普及すると、そのデザインは一気に多様化し、斬新でモダンな意匠が数多く生まれた。

展覧会で紹介される代表的作品
会場では、《桃色地煉瓦チューリップ模様銘仙着物》や《縹地紙風船模様銘仙着物》、《染分地薔薇模様銘仙着物》など、20世紀に制作された銘仙が展示される。幾何学模様や花柄、風船や薔薇などのモチーフが大胆な配色で織り込まれ、時代を超えても色褪せないモダンさを感じられる。こうしたデザインは当時の流行や生活文化とも結びついており、当時の女性たちがどのようにおしゃれを楽しんでいたかを垣間見ることができる。
文化史としての意義
銘仙は単なる衣服ではなく、近代日本のライフスタイルや価値観を映す文化資源でもある。華やかな色柄は女性の社会進出や都市生活の広がりとともに支持され、その軽やかな風合いは大衆のファッション感覚を象徴した。今回の展覧会は、銘仙の造形美だけでなく、その背後にある歴史的文脈にも触れる機会となるだろう。

展覧会概要
企画展「和モダン—銘仙着物の華やぎ—」
会期:2025年9月29日(月)~11月30日(日)
会場:共立女子大学博物館
住所:東京都千代田区一ツ橋2-6-1 共立女子学園 2号館 B1F
開館時間:平日・祝日 10:00~17:00 / 土曜 10:00~13:00
※10月18日(土)は17:00閉館
休館日:日曜日
※10月19日、11月30日は17:00まで開館
入館料:無料
※見学時は2号館入口警備室に申し出のこと
【問い合わせ先】
共立女子大学博物館
TEL:03-3237-2665