― 仏教における夢の意味を絵画や彫刻を通して紹介 ―

京都・西本願寺前にある龍谷ミュージアムにて、特別展「仏教と夢」が2025年9月20日(土)から11月24日(月・振)まで開催される。本展は、仏教の思想や物語の中で「夢」がどのように位置づけられ、またどのように人々の信仰や文化に影響を与えてきたのかを探る企画展だ。

仏教で夢について最初に語られる例として知られているのは、釈迦の母・摩耶夫人が釈迦誕生の兆しとして見た「托胎霊夢(たくたいれいむ)」である。その後の歴史の中でも、唐代の高僧・玄奘が夢で異形の神に救われた逸話や、浄土真宗の祖・親鸞が救世観音の夢を見たという伝承など、夢は仏教に深く結びついたテーマとして度々登場してきた。

本展では、「夢と霊験譚」「経典に記された夢」「東アジアの高僧と夢」「儀礼と夢」「夢と聖地」といった多角的な視点から、夢と仏教の関わりを紐解く。展示作品には、釈迦誕生の奇跡を伝える「托胎霊夢」の浮彫や、夢に登場する羅漢たちの世界を描いた《羅漢図(天台石橋)》、そして鎌倉時代の名仏師・快慶が手掛けた重要文化財《木造 深沙大将立像》などが並び、絵画から彫刻に至るまで、夢を題材とした幅広い美術作品を鑑賞できる。

夢はしばしば霊的な啓示や未来の兆しとして受け止められ、人々に信仰や安心を与えてきた。本展は、そうした夢の表現を通じて、仏教がいかに人々の精神世界を豊かに形作ってきたのかを体感する場となるだろう。

秋の京都観光に合わせて訪れれば、仏教美術と夢の関わりをじっくりと堪能できる貴重な機会となるはずだ。

展覧会概要

秋季特別展「仏教と夢」
会期:2025年9月20日(土)〜11月24日(月・振)
会場:龍谷大学 龍谷ミュージアム
住所:京都府京都市下京区堀川通正面下る 西本願寺前
開館時間:10:00〜17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)・24日(月・振)は開館)、10月14日(火)、11月4日(火)

入館料:
一般 1,600円(1,400円)、高校・大学生 900円(700円)、小・中学生 500円(400円)、小学生未満 無料
※( )内は前売および20名以上の団体料金
※前売券は8月8日(金)~9月19日(金)まで、公式オンラインチケット(ARTIX)、ローソンチケット(Lコード 54357)ほかで販売
※障がい者手帳の提示者および介護者1名は無料

【問い合わせ先】
龍谷ミュージアム
TEL:075-351-2500