Ankerが2024年1月に発売したモバイルプロジェクター「Nebula Capsule 3」。500mlペットボトルよりも小さく、片手で持ち運べるコンパクトサイズながら、最大120インチの大画面でフルHD(1920×1080)解像度の映像を楽しめる点が最大の特徴です。
Google TV対応で動画視聴が格段に快適に
前モデルではAndroid TVを搭載していましたが、今作は世界初(Anker調べ)となるGoogle TVを搭載。従来はアプリを個別に起動して切り替える必要がありましたが、Google TVはホーム画面から各種動画サービスに直接アクセス可能です。NetflixやAmazon Prime Video、YouTubeなど主要アプリがほぼ標準対応しており、リモコンにはNetflixとPrime Videoの専用ボタンも搭載されています。
これにより、動画視聴の利便性が格段にアップ。従来のもっさりした動作感も大幅に改善され、Netflixユーザーならこれ一択と言えるレベルの使いやすさに仕上がっています。
明るさは200ANSIルーメン、HDR10対応で鮮明な映像を実現
明るさは200ANSIルーメンと、数値だけ見ると控えめですが、HDR10対応により白黒のコントラストやグラデーションが鮮明で、値以上の画質を体感できます。日中でもカーテンを閉めた状態なら問題なく映像を楽しめます。
また光源はLED式を採用。ブルーライトをほとんど発さず、省エネで静音性にも優れています。さらにオートフォーカスや垂直・水平の自動台形補正も搭載。前モデルでは水平補正が手動だったのに対し、今作は両方向とも自動で補正が可能です。
コンパクトながら充実の自動補正機能
Anker独自の「Nebula IEATM 3.0」テクノロジーにより、起動後はオートフォーカスや台形補正、スクリーンフィット、障害物回避の4つの自動補正が20~30秒で完了。設置場所を選ばずに、ストレスなく映像を投影できるのは大きな魅力です。
音質もDolby Digital Plus対応で満足度が高い
映像だけでなく音響にも注力。8WスピーカーはDolby Digital Plus対応で、映画館のようなクリアで立体的な音響を実現しています。音質は高音・中音・低音のバランスが良く、セリフも聞き取りやすいので、小音量でも十分楽しめます。マンションの隣室への音漏れを気にする方にも安心です。
使ってみて気になったポイント
一方で、実際に使ってみると気になる点もあります。起動に約1分かかるため「すぐに見たい!」という場面ではややストレスを感じます。また操作にもワンテンポの遅延があり、スマホやPCのサクサク感に慣れていると違和感があります。
さらに明るい部屋での映像視聴は厳しく、照明を消してカーテンを閉めるなど環境を整える必要があります。リモコンのボタンは必要なときだけ光る仕様ですが、筆者は音量調整ボタンは常時光ってほしいと感じました。
また本体に角度調整機能がなく、適切な投影角度にするには別売りのスタンドやジンバルスタンドの利用がほぼ必須。充電ケーブルの重みで傾くこともあるため、安定させる工夫が必要です。
シリーズ比較と購入のポイント
「Nebula Capsule」シリーズは入門モデルの「Capsule」「Capsule Pro」から、フルHD対応の「Capsule II」「Capsule 3」「Capsule 3 Laser」まで幅広く展開されています。画質や輝度を重視するなら「Capsule 3」以上がおすすめ。前モデル「Capsule II」とほぼ同価格でスペックアップしているため、あえて旧モデルを選ぶ理由は薄いです。
最高峰の「Capsule 3 Laser」はレーザー光源採用でさらに明るく色彩も豊か。映像のクオリティを追求したい方は検討の価値があります。
まとめ
「Nebula Capsule 3」は、コンパクトなボディに高画質フルHD映像、Google TV搭載による快適な動画視聴環境、自動補正機能と音質の良さを兼ね備えたバランスの良いモバイルプロジェクターです。
価格は69,990円(税込)と決して安くはありませんが、日常的な映画鑑賞はもちろん、アウトドアや友人宅への持ち運びにも便利。特にNetflixなど動画配信サービスをよく利用する方におすすめです。
購入前には、自宅の環境で映りや操作感を確認できるレンタルサービス「kikito」を活用するのも賢い選択。30日単位の月額プラン(4,000円)や短期レンタル(6,980円/15日間~)が用意されており、じっくり試せるので安心です。
手軽にホームシアターを楽しみたい方は、「Nebula Capsule 3」で映像体験を大きく変えてみてはいかがでしょうか。