幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師・河鍋暁斎(かわなべ きょうさい)の作品を紹介する特別展「ゴールドマン コレクション 河鍋暁斎の世界」が、兵庫・神戸市立博物館にて2026年7月11日(土)から9月23日(水・祝)まで開催される。本展終了後は、東京のサントリー美術館、さらに静岡へと巡回予定だ。
河鍋暁斎は、江戸時代末期から明治初期にかけて幅広く活動した鬼才の浮世絵師。浮世絵と狩野派の両方を学んだ彼は、神仏を描いた宗教画から戯画、動物画、妖怪画まで多彩なジャンルを手がけ、その卓越した筆致と機知に富んだ表現力で知られている。近代美術の先駆けとも評される暁斎の作品は、自由奔放でユーモラスでありながら、緻密な技法による迫力も兼ね備えている。
今回の展覧会では、世界有数の暁斎コレクターとして知られるイスラエル・ゴールドマン氏のコレクションから約100点を公開。《蛙の学校》《地獄太夫と一休》といった代表作をはじめ、肉筆画と版画の名品が一堂に会する。特筆すべきは、その半数以上が日本の展覧会で初めて紹介される作品である点。これまで国外にとどまっていた貴重な作品を間近に鑑賞できる貴重な機会となる。
出品予定の中には、《蝶と菊に猫》《三味線を弾く洋装の骸骨と踊る妖怪》といった、暁斎独自のユーモアと鋭い観察眼を感じさせる作品も含まれる。動物や妖怪を題材にした作品は特に人気が高く、その斬新な発想とダイナミックな構図は現代の鑑賞者にとっても新鮮な驚きを与えるだろう。
神戸市立博物館での会期は夏から初秋にかけての開催となり、家族連れや美術ファンにとって夏休みの観覧スポットとしても注目を集めそうだ。会場では作品解説や関連展示も予定されており、暁斎の多彩な画業を包括的に理解できる内容となる。
その後は、2026年4月から東京・サントリー美術館、さらに10月から静岡でも開催が予定されているため、関東や東海地方の来場者も楽しむことができる。地域ごとに異なる展示構成や関連イベントが企画される可能性もあり、巡回先での展開にも期待が高まる。

【展覧会概要】
特別展「ゴールドマン コレクション 河鍋暁斎の世界」
会期:2026年7月11日(土)~9月23日(水・祝)
会場:神戸市立博物館
住所:兵庫県神戸市中央区京町24番地
開館時間:9:30~17:30(金・土曜日は20:00閉館)
※入場はいずれも閉館30分前まで
※詳細については追って告知
■巡回情報
・東京会場
会期:2026年4月22日(水)~6月21日(日)
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア 3F
・静岡会場
会期(予定):2026年10月10日(土)~12月6日(日)
※会場については追って告知
【問い合わせ先】
神戸市立博物館
TEL:078-391-0035