和歌山県立近代美術館にて、「生誕120年 村井正誠展 —色のやどり・形のうぶすな—」が2025年9月27日(土)から11月30日(日)まで開催される。鮮やかな色彩と大胆な造形を用い、抽象絵画を通じて国や時代を超える表現を追求した画家・村井正誠の生涯を振り返る展覧会だ。
1905年、岐阜県に生まれた村井は、若くして和歌山に移住。豊かな自然と文化に触れながら育ち、美術への道を志すようになった。その後、東京・神田の美術学校で学び、卒業後はフランスへ渡航。制作活動を行うかたわら、美術館や教会、博物館を巡り、古代から現代にいたる多様な人間表現を吸収していった。こうした経験が、彼独自の抽象表現の確立につながっている。
村井の絵画は、単なる個人のスタイルにとどまらず、国境や時代を越えて人々に訴えかける普遍性を備えていた。本展では《黒い線》《強そうな人》といった代表作をはじめ、初期から晩年に至るまでの幅広い作品を展示。約1世紀にわたる創作活動の軌跡をたどりながら、「色」と「形」が織りなす抽象表現の本質に迫る。

また、村井の芸術を育んだ背景にも焦点をあてる。和歌山での原風景や、フランスで培った美術観など、彼の人生と表現のつながりを多角的に紹介することで、村井が追い求めた“あらゆる時代の人々に通じる表現”を改めて体感できる機会となるだろう。
同時開催として、美術館の収蔵品を紹介する「MOMAWコレクション 名品選」や「MOMAWコレクション 現代の美術」も観覧可能。多彩な展示を通じて、近代から現代に至る美術の広がりに触れることができる。

展覧会概要
展覧会名:生誕120年 村井正誠展 —色のやどり・形のうぶすな—
会期:2025年9月27日(土)〜11月30日(日)
会場:和歌山県立近代美術館 1階展示室
住所:和歌山県和歌山市吹上1-4-14
開館時間:9:30〜17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日(10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)、11月24日(月・振)は開館)、10月14日(火)、11月4日(火)、11月25日(火)
観覧料:一般 800円(団体 640円)、大学生 500円(団体 400円)
※高校生以下、65歳以上、障害者手帳所持者は無料
※第4土曜(9/27・10/25)は大学生無料
※第1日曜(10/5)は無料、11月は「和歌山県ふるさと誕生日」にあたる11/22(土)が無料
※11/15(土)・16(日)「関西文化の日」は無料
【問い合わせ先】
和歌山県立近代美術館
TEL:073-436-8690