オープン セサミ クラブ(OPEN SESAME CLUB)が2026年春夏ウィメンズコレクションを発表した。シーズンテーマは「イリュミナンス(Illuminance)」。自然の移ろいゆく風景から得たインスピレーションを服へと昇華し、着る人の動きやシーンに呼応して異なる表情を見せるようなデザインを展開している。

今季は「変化のグラデーション」をキーワードに、光から影へ、無垢から意志的へ、曖昧な形から精緻な造形へと移ろう姿を、やわらかなディテールや立体感で表現。コレクション全体に、時間や空間の流れを映し込んだような奥行きを感じさせる仕上がりとなった。

シアーな透け感のニットTシャツには、月明かりに浮かぶ植物の影をイメージした白いシルエットをプリント。幻想的で静謐なムードを漂わせる。一方、ワイドデニムパンツにはブリーチ加工で夜の海の揺らぎを抽象的に描き、ストーンウォッシュを施したカーディガンには経年を思わせる温かみを持たせた。

色彩面では、自然現象からの着想が随所に見られる。日の出や日没の一瞬に現れる「グリーンフラッシュ」を思わせる鮮やかなグリーンは、プリーツ加工のニットトップスやドレスに取り入れられ、生命力を宿すような輝きを放つ。紫のトーンは「マジックアワー」の薄明かりを象徴し、立体的な編み地のシャツや、果物の皮の質感を模したアイコンニット「ドリアン」に落とし込まれている。

素材使いも巧みで、小花柄をラメ糸で仕上げたニットシャツやTシャツは、ひんやりとした感触と繊細な光沢感が魅力。波打つような幾何学的パターンのキャミソールやスカートは、植物の節を思わせる有機的なテクスチャーを纏い、ナチュラルでモードな印象を与える。

また、スラブコットンを使ったブラトップやパンツは、砂や苔を想起させる色合いと段階的な編み模様が融合し、自然体でリラックス感あるシルエットを描き出す。透け感のあるプリーツニットドレスは、空気を含むような立体感が特徴で、裾がドレープを描きながら身体を包み込む様は、流れる光景のように華やかだ。

コレクションには、日常のスタイルにレイヤードとして取り入れられるアイテムも多く含まれる。たとえば、ハンドニットのレースボディスーツ、両サイドをリボンで結ぶキャミソール、ケープのように羽織れるショート丈カーディガンなど。さらに、ラメ糸を使ったニットブラや背面で紐を結ぶトップスは、カットソーやタンクトップに重ねることでアクセントとなり、着こなしの幅を広げる。

「イリュミナンス」は、日々変化する自然や時間の流れをファッションで映し出し、着る人自身の存在感をも変化させるようなコレクション。モードと自然、光と影が交差する世界を、オープン セサミ クラブらしい柔らかさと実験精神で描き出している。