スタジオジブリの世界を体感できる特別な展覧会「ジブリの立体造型物展」が、2025年5月27日(火)から9月23日(火・祝)まで、東京・天王洲の寺田倉庫 B&C HALL/E HALLで開催されています。2003年に始まった本格的なジブリ展の原点とも言える「立体造型物展」が、22年ぶりに東京に帰ってきました。
名作の名シーンが“立体”で蘇る
本展では『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『平成狸合戦ぽんぽこ』『耳をすませば』など、スタジオジブリの名作から選ばれた名シーンを再現した立体造型物が多数展示されています。平面のアニメーションから飛び出したかのようなリアルな造形は、まるで作品の世界に入り込んだような没入感を与えてくれます。
「アニメを“観る”から“体感する”へ」。キャラクターの存在感、背景の質感、空間演出までが緻密に作られ、思わず立ち止まって見入ってしまう仕掛けが随所に。ファンならずとも、その圧倒的な造形美と演出に引き込まれることでしょう。
海を渡ったジブリ――作品を届けた“人”に注目
本展のもうひとつのテーマは、「海を渡った熱風」。ジブリ作品が世界中で親しまれるようになるまでには、作品を愛し、自国に届けようと奮闘した多くの“人”の存在がありました。本展では、北米、ヨーロッパ、アジア各地でどのようにジブリ作品が受け入れられていったのか、その背景を紹介しています。
北米版『ハウルの動く城』、韓国版『もののけ姫』など、各国のポスターや資料も展示。映画配給の裏側にある“情熱”や“人とのつながり”に光を当てる構成は、普段なかなか見ることのできないジブリのもう一つの物語として、深い感動を呼びます。
特別展示「サボイアS-21」&短編映画も上映
ジブリファン注目の展示として、映画『紅の豚』に登場する名機「サボイアS-21」が、木製のアート作品として実寸大で再現されています。制作を手掛けたのは特撮界の第一人者・伊原弘氏。寺田倉庫という水辺の立地も、映画の舞台“ピッコロ社”を想起させる絶妙な演出です。
さらに、ジブリ美術館限定で上映されていた短編アニメ『空想の空とぶ機械達』(監督:宮﨑駿)が本展限定で特別上映。19世紀の人々が夢見た“未来の飛行機”をテーマに描かれた約6分間のアニメーションで、宮﨑作品ならではの空想力とユーモアが詰まっています。
アクセス・チケット情報
会場はりんかい線・天王洲アイル駅から徒歩4分、東京モノレールの同駅からも徒歩5分。専用駐車場はなく、公共交通機関の利用が推奨されています。開館時間は9:30〜20:00(最終入場19:00)、5月27日(初日)は15:00開館です。会期中は無休で、混雑が予想されるため事前予約や早めの訪問がおすすめです。
まとめ:映画を“もう一度観たくなる”体験へ
「ジブリの立体造型物展」は、アニメーションの魅力を改めて再発見できる場であり、作品を支えてきた人々への敬意が込められた展示でもあります。映画を観るだけでは気づかなかったディテールや、キャラクターたちの息づかいを感じる展示空間で、子どもから大人まで心に残る体験ができることでしょう。
映画の世界に“飛び込む”体験を、ぜひこの夏、天王洲で。