「大ゴッホ展 夜のカフェテラス」上野の森美術館で開催　約20年ぶりに《夜のカフェテラス》が日本公開、名画60点が集結

世界的画家フィンセント・ファン・ゴッホの代表作を集めた展覧会「大ゴッホ展 夜のカフェテラス」が、東京・上野の森美術館にて開催される。会期は2期構成で、第1期は2026年5月29日(金)から8月12日(水)まで、第2期は2027年10月頃から2028年1月頃までを予定。さらに神戸市立博物館や福島県立美術館でも巡回が予定されている。

本展では、世界屈指のゴッホ・コレクションを誇るオランダのクレラー＝ミュラー美術館の所蔵品を中心に、約60点の作品を紹介。第1期の目玉となるのは、南仏アルルの実在するカフェを描いた傑作《夜のカフェテラス(フォルム広場)》。およそ20年ぶりの日本公開となる本作では、黒を使わず青と黄色のコントラストで夜空とガス灯を描いた、ゴッホ初期の“星空シリーズ”としても知られる重要な作品だ。

展示は、オランダ時代からアルル時代、そして晩年へと続くゴッホの画業を辿る構成。初期作品としては、《じゃがいもを食べる人々》のリトグラフを展示。油彩画の習作をもとに制作されたもので、ゴッホが身近な人々に自身の代表作を紹介するために作った貴重な版画だ。当時版画技術に不慣れだった彼は、厳しい評価を受けながらもその経験を通して“技巧よりも心情を描く”という独自の表現へと進化していった。